パワハラを受けていませんか?
パワハラを受けていませんか?
会社の上司や先輩から、朝礼で暴行を受けたとの相談を度々受けることがあります。退職を考えるどころの話ではありません。
直ちに最寄りの警察に相談してください。その際、証拠を必ず押さえておいてください。
①上司が手に持っていたファイルでいきなり殴ってきた。
まず何で殴られたか。時計も見てください。時間を記録します。
●(携帯アプリなどで録音をする)音や声でも構いません。
●(動画を取る)その場の流れと近辺にいた人の顔を撮る。
●(診断書を取る)ケガをした。少しのアザでも医者に行って診断書を書いてもらいましょう。
顔に暴力を受けた際に、同時に眼鏡を壊された、コンタクトが飛んで紛失したケースがあります。
「お前が悪いから、こうなるんだろ」と言われ、上司に歯向かえずあきらめている人がいます。
弁償してもらいましょう。壊れたものが物的証拠になります。
会社は組織なので、教育の一環だと言い逃れすることがあります。証拠があると警察もスムーズに動きやすいです。
絶対、耐えて言いなりになったり(我慢してことを荒立てないのが美徳なんて考えは捨てましょう)、泣き寝入りしてはいけません。
余計に暴力を受けるとか居づらくなるとか言っている場合でもありません。これは立派な犯罪です!!
もし、今まで暴力を受けた記録を何も残していないのなら、今後はノートにすべて細かく記録します。
実は、これでも十分役立ちます。
誰が・いつ・何を発言し・何をしてきた。全部記録するのです。
上司、先輩、同僚、後輩から受けた被害をすべて含みます。
①体への暴力(殴る・蹴る・突き飛ばす・胸ぐらを掴む・口に含んだ水を吹きかけるなど行為(暴行罪または傷害罪)
②精神的な暴力(分厚いマニュアルなどでテーブルを思いっきり叩いて脅す・ゴミ箱をおもいっきり蹴飛ばすなどの行為)
③口頭での威圧(大声で怒鳴る)
④セクハラ(性的嫌がらせ)・モラハラ(精神的に支配して追い詰める)
➄無視・仲間外れ
⑥無理なことの強要
⑦仕事をさせず放置する
⑧私的なプライバシーに過度に立ち入ること
刑法に触れますが、パワハラにも当て嵌まります。
第204条(傷害)人の体を傷害した者は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。
第208条(暴行)暴行を加えたものが人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料に処する。
第222条(脅迫罪)本人や親族の生命、身体、自由、名誉または財産に対し、害を加えることを告知して人を脅迫すること。2年以下の懲役または30万円以下の罰金。
第223条(強要罪)生命、身体、自由、名誉もしくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、または暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、または権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
第230条(名誉棄損罪)公然と事実を摘示し、人の名誉を棄損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金に処する。
第231条(侮辱罪)事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留または科料に処する。
ケースによっては、刑事事件として警察署に告発します。警察に相談して記録を残しておくだけでも安心です。
内容にもよりますが、パワハラの場合、被害者は損害賠償請求事件として民事で訴訟を起こします。
会社は雇用契約を従業員と交わしていることから、職場環境配慮義務を負うことになります。
会社で社員・アルバイトなどにパワハラ・セクハラ被害が発生しますと、民法第415条債務不履行責任で「職場環境配慮義務違反」となり会社はその損害を賠償しなければいけません。
もちろん使用者責任として「民法第715条ある事業のために他人を使用する者は、従業員が第三者に対して加えた損害を賠償する責任」を負います。
これを知らない会社が非常に多いのですが、当事者だけではなく、会社側も責任を取らなければいけないということを十分覚悟しておかなければなりません。
社内ストーカー被害にあっている
大企業ならまだ対策がしやすい、社内ストーカー。
大きい職場程、周りに相談したり証人を作りやすいのですが、中小・零細になるほど逃げ場がなく苦痛を強いられます。
上司がストーカーの場合は、個人情報を掴まれるため早い対処が必要です。セクハラを遥かに超えたストーキングは、事件に発展する可能性があります。
なかには女性上司から被害を受ける男性もいますが、男性から被害を受ける女性が殆どです。
これまでに起きたケース(確証なしを含む)では、
①自分より先に退社したはずの上司が、自宅マンションの下をうろついていた。
隠れるように帰りを待っていた。エントランスの手前で本人であると確認したが、特に追ってきたりはしなかったので気づかぬ振りをした。
女性は恐怖を募りバルコニーから下を見下ろすと、下にいた男性上司が上を眺めていた。
②ポストに届いた手紙を開けた形跡がある。
ネットオークションで買ったアクセサリーがメール便で届いた。明らかに封筒の底を開封した形跡があり。ほかの封書も同様な形で届いたため、複数件で疑う。
③デスクの中の私物の位置が明らかに移動している。
デスクをきちっと整理する整頓癖がある女性。化粧ポーチとサプリの位置が変わっていることを頻繁に確認。会員証・ポイントカードも逆さになって入れてあったり、無理やり重ねて戻していることから、誰かが触れたと判断。以降カギをかけて保守。
④ランチに毎日しつこく誘うようになってきた男性上司。
お昼は1人でランチをすることが多かった。一人で寂しくない?案内するよと。様々なトークをアレンジして毎日誘ってくる。同僚の女性と食事に行くことで回避しようとしたが、断っても勝手についてくるようになった。
➄私生活情報をすべて聞き出そうとする。(男性から男性へのパターン)
朝出勤と共に、今日の顔の感じを感想として述べてくる、トイレの回数を集計される。食べ物の好き嫌いを細かく聞く。体型へのアドバイス。顔・体を必要以上に繰り返し見つめてくる。会話反応に関してイチイチ判定する。距離が異常に近い。触ってくる。小さい部署なので2人きりで業務をしなければいけない。執拗に迫るのは立派なストーカー行為です。
⑥男性上司がスマホの無音カメラアプリを使い、顔や姿を撮ってくる。
デスクでスマホを見ていると思いきや、どうやら自分を撮っているらしい。他の女性社員らが教えてくれて発覚。
⑦真似てくる。
気を引きたいのか。休憩中に同僚と話した内容をどこかで知り、そのレストランや映画を自分も行ったよと報告された。スマホを機種変更したら、すぐに相手も同機種を持ち始めた。話し方・驚き方などリアクションを、何から何まで真似る上司がいる。
⑧盗撮されている。
デスクの中に家のスペアキーを保管している女性。男性上司はその女性に営業外回りをさせておきながら、その上司は女性宅に侵入した上、盗撮カメラをしかけた事件。
いずれにしても非常に気味が悪く、許しがたいストーカー行為です。
本人にやめるよう、直接言ったとしても効果が薄い場合が多い。おそらく相手は、あなたに夢中なので聞く耳を持たないでしょう。
零細企業の社長がストーカーの場合は、相談する人も限られてくるかと思います。そのときは、取引先の信頼できる人に相談する、いなければ友達や家族に相談してみる。
中小企業以上なら、男性上司と女性上司それぞれ2人以上に相談。それでも心配ならもっと上長へ。コンプライアンス・セクションがあるのならそこへ話を通してみる。
とにかく誰かに間に入って助言してもらう。注意、監視してもらうことで危険回避の対策をとる。事件性がある場合は、躊躇することなく警察に相談することをおすすめします。
ストーカーは、はじめ微々たる行動で迷惑行為を働きますが、次第にエスカレートし重大な事件へ繋がることが考えられます。
自分だけで解決しようとはせず、おかしいなと思ったらまず信頼できる人に話してみましょう。
警察庁ウェブサイトも参考にしてください。